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◤インタビュー◢ "兵庫Drill" を標榜する BEREAL |イジメた奴らをラップで見返す


当サイトにて、若手ラッパーを発掘・応援する目的で行われた【TOKYODRILL FREESTYLE 2023】。MV制作と音楽活動費 賞金10万円をかけて約50名が応募。その中からMV制作に3名が選ばれた。


AKIRA / 凡度 / BEREAL


3人ともまだ知名度は高くないが、確かな実力と個性にあふれている。今から紹介するのは、淡路島をHOODとするDrill系ラッパー・BEREAL だ。彼が主催し、淡路島で開催されたパーティ「Drillers Mob vol.1」のLive映像を見れば、パワフルさが伝わるだろう。



このインタビューは、スラムフッドスターから10月31日8時より公開されるMV「4 REAL」の撮影前に行われた。音楽に対する真摯な姿勢や、淡路島ならではのバックボーン、新しい音楽が生まれる予感を感じて欲しい。



BEREAL

X(旧Twitter):https://twitter.com/BEREAL_awj




◤インタビュー◢ 


ー スラムフッドスターのMV企画に応募したきっかけを教えてください。 


 BEREAL:ラッパーのAKIRA君が、Twitter(現X)で「こういう企画やってるから俺は取りに行くぜ」みたいなツイートをしとったんです。俺もブチかましたいと思いました。  



ラッパーの Glocky 、Young Dee らと" 兵庫Drill "を名乗ってて、神戸にDrillを持ち込んだと思っています。俺らがDrillを先にやってるから絶対に負けたないよなって。 


ー あのフリースタイルは何日ぐらいかけて完成させたものですか?


BEREAL:ツイートを締め切り間際に見つけて、やべーって30分で仕上げました。リリックを書くのは早いんで、アフロDrillっぽくしたらいけるなって。 


ー 30分とは驚きです!リリックを練り込んでいる印象だったので、そんな短時間で完成させたとは思いませんでした。 


 BEREAL:自分は制作の時、スタジオに行くまでにリリックは全部憶えるんですよ。レコーティング中に、ここはこうしようと唐突に言われてもアドリブが効くようにしたいので、フローも何パターンも用意していきます。 


ラッパーは、リリックとフローがそろっての表現力やと思います。「のらりくらり」というフレーズでも、ドリフトレースを見に行ったら色々なコーナーでドリフトして、ハンドルを切り返し・切り返してますよね。人生も、いきなりハンドルを切らなあかん岐路に立たされる時があるとイメージしました。

 

リリックを書くスタンスとしては、伝わることを7割ぐらいにして、残りの3割はこれはどういうことなんやろう?とリスナーに考えてもらいたいです。 


 ー 想像する余白を残すということですね。


BEREAL:UK Drillを聴いたらスラングとかもめっちゃ多いから、意味を汲み取るまでに(言語の)ディグ能力が必要じゃないですか? 作品としては、120%出せるように毎回工夫してやっとるんですど、完璧すぎるよりも多少荒削りで、どこか欠けている方が面白みがあると思っています。 


ー Drillはノリ重視の楽曲が多くて、リリックでガツンとくる楽曲が少ない印象です。そこまでリリックにこだわっているのは貴重な存在です。


▌ラップがめちゃクソ嫌いでした


ー ラップを始めたきっかけは何でしたか?


BEREAL:俺、中学生までイジメられてたんです。そいつらが休み時間によくMCバトルの話をしてたんです。当時は『高校生ラップ選手権』が流行ってましたから。傍観者としてそいつらを見てたから、ラップがめちゃクソ嫌いでした。 


ー ええええ!


BEREAL:逆に日本語の昭和の曲とかめっちゃ好きやって、何がラップやねんて思ってて。たまたまラップの曲を聴いたのが、唾奇の「all green(※正確にはDJ RYOW『all green feat. 唾奇』)」で、歌っていることはどういう意味なんやろなぁ?と考えるようになりました。自分の住んどる環境とは違うんだろうなって…



中3ぐらいから高3ぐらいまでずっと聴いてて、自分の環境が変わっていく度に、リリックの受け取り方が変わってくるのが面白いなってなって思って。


ー 色々なことをおぼえていく時期ですもんね。


BEREAL:高校生で柔道を始めて、海辺で後輩と喋ってたらHIPHOPの話題になって、「僕、リリック書いてます」って言うんです。


え、マジで?ってなって、そっからフリースタイルを始めました。川辺とか高架下にスピーカーを置いて、右も左も分からない状態で始めましたね。  


ー駅前とかじゃなくて、川辺ってのが淡路島らしいですね。


BEREAL:後輩はフリースタイルをポンポンできるんですけど、自分だけ言葉が詰まってしまって。1Verseをちゃんと蹴れるまで、1人で永遠にやってました。 もっと上手くなりたくてネットサイファーに参加したり、大学では武庫川サイファーに行くようになりました。


ー  Drillに影響を受けたのはいつ頃からでしょうか?


BEREAL:去年ぐらいまで個人のネットレーベルに入っとって、その時めっちゃオートチェンをかけたメロディー系の曲をやってたんです。 


そこで、埼玉のラッパー Forest55 君と出会いました。過去にニートtokyoに出てたことがある人で、日本語のDrillをやってたんです。めっちゃ可愛がってもらってて、俺もドリルやってみたくなりました。 



Trapはポイントを踏まえていれば自由にできるイメージです。でもDrillはやり方が全然分からなくて、聴き心地にこだわらへんと曲として成り立たへんなって悩みました。


ー 実際にラップするとそんな感覚なんですね。


BEREAL:そうですね。悩んでいる時にForest君が「そこに入りなよ」って教えてくれたのが、Drillのオープンチャットでした。そこではイタリアとかスペイン、韓国、中国、USとか様々な国の DrillをDigしている日本人リスナーが毎日何十曲もピックアップしているんです。


 自分の声質とフローはどの国のスタイルがマッチしてるか探りました。スペインと、UKのメインストリームから少し外れた地域のものがハマり、影響を受けてます。


UKにK1っていうラッパーがおって、スキーマスクを被っとんですけどギャングじゃないんです。去年ぐらいに亡くなってしまって。 


 ー オーバードーズが原因ですか?


BEREAL:違います。銃殺とか抗争でもなくて、ガンで亡くなりました。抗ガン剤で頭髪が抜けるのを見せたくない、心配させたくないという理由でマスクを被っていました。



Drillって堅気みたいな人間でもできるジャンルなんやと気付かされました。彼は、人間が生きていく上で不条理やと思ったことや、自分が好きなものに対する気持ちをラップしています。 俺もそういうリリックなら書けるなって思って、「ありがとう」と日常的に伝えるべきことをラップしています。


ー Drillって暴力的で、感謝と真逆なイメージです。どんな作品になるのか楽しみです。


BEREAL:12月ぐらいにまとまった作品を出す予定なので、そのタイミングで発表します。



▌稼ぎ方にこだわるは大事やと思って


BEREAL:最近、Drillのベーシックなフローから外れられるようになってきました。リズムキープをしながら踏むんですけど、1拍、2拍ズラしたりとか、ベースの音にハメにいったり、小節終わりのでかい音に対して、ケツの言葉を持っていったりしています。


そうすることで変則的にフローできるなって気づいたんで、これから発表する曲には入れまくっています。


ー リスナー目線から言わせてもらうと、聴き心地がいいか悪いか分かりますけど、そこに辿り着くまでの試行錯誤って分からないものですね。


BEREAL:アハハハ、そうですね。イレギュラーなフローならARRDEEというラッパーがかっこいいですよ。関西弁っぽい巻き舌で、ズレているようでズレてないやんっていう。



ー 地元について伺います。淡路島といえば SILENT KILLA JOINT さんが有名で、若手ではSiryuさんが頭角を表しています。ドリルシーンはどのような感じでしょうか?


BEREAL:ぶっちゃけ本腰入れてやってんのは僕だけですね。


ー アーティストとの繋がりはインターネット経由でしょうか?


BEREAL:はい、客演の依頼もダメ元でInstagramにDMして、自分の作品を提示して強引に売り込んでます。 


ー そのハングリーさがいいですね。


BEREAL:楽曲「Billionaire」を一緒に作ったAkira Junとは、Instagramをフォローしてもらったので、速攻で「一緒に曲やりましょう」ってDMして制作することになりました。



ー「Billionaire」のリリックで、「I’m a ラッパーでパパ」というフレーズがあります。子育てをしながら活動されているのですね。


BEREAL:そうですね。仕事しながらリリックを書いて、子育をしているので、三刀流みたいな感じです。けど全部自分がやるべきことやし、好きなことなんで。普通の家庭を築くのもいいんですけど、ラッパーのパパってヤバいよなって。


ー それは忙しいでしょうね。 


BEREAL:子供ができたタイミングで一時期ラップを止めてたんですけど、俺はやっぱりラップで花を咲かせんと後悔が残るなって思って。


あとメチャクチャしょうもないんですけど、ラップを好きやった奴らにとことんイジメられたから、俺がとことんラップをやって手の届かんところまで行ったろうと思ってます。


ー そのパワフルな腕っぷしからは、イジメられてとは想像がつかないです。


BEREAL:いや、昔はヒョロヒョロやったんで。きっかけは小さなものですけど、そこからメインストリームに食い込んで莫大な力を生み出せるぞってアピールしたいです。 


ー その年齢で子育てしている人が少ないので、BEREALさんにしか書けないリリックが生まれると思います。 


BEREAL:まだ出してない作品の中に、お金じゃ買えない愛についてラップしています。普通にお金を稼げるのもいいんですけど、稼ぎ方にこだわるは大事やと思ってラップしてます。


自分は今からやと思ってるんで、仮に一発撃って当たらんくても、当たるまでやればええわと思っています。やめる気はないですよ。 


ー スラムフッドスターによるMV撮影が行われます。こんな映像にしたいという構想はありますか?


BEREAL:やっぱり何か仕掛けないと面白くないと思ってます。曲は、ラッパー Timpo da flippaとの共作で、ビートは太田裕美さんの「赤いハイヒール」をサンプリングをしています。同じネタをSheff Gが「We Getting Money」という曲で使っています。



MVにワンシーンとかだけ寄せて、くみ取ってもらうじゃないけど、"これ(映像の)サンプリングやん" みたいに面白がってもらいたいですね。他にもギミックをいっぱい仕掛けるつもりです。 映像用にTシャツをシルクスクリーンで作っていて、Timpo da flippaにデータを渡したりしています。


ー めちゃくちゃ凝ってますね。笑


BEREAL:知名度なくてもとことんカマせるところを見せるので、楽しみにしといて下さい。


ー 楽しみにしています!本日はありがとうございました。


BEREAL:ありがとうございました。  





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