8月31日、自身初のセレクトアルバム「SoundSourcePool VOL.1」をリリース。毎夜血眼になって曲をDiggして貯まった膨大な音源を筆者自身が"音源の貯蔵庫"と呼んでおり、それを表した造語「SoundSourcePool」からセレクトとした珠玉の10選を配信!これからHIPHOPシーンで注目を浴びるアーティストを先取りチェック!立て続けにVOL.2も9月末にリリース決定!
1.STRIDER - AGARU
feat. ZAIGO
Beats by 麻火焚香
山形のシーンで活動する"LOCAL STEEZ"、"ALPHA PUPs"でマイクを握る"STRIDER"が盟友の"ZAIGO"とビートメイカー"麻火焚香"と投下した一曲。
30歳を目前に自身の、キャリア、生活環境の変化に思案し苦悩する様子を感じつつも、それを吹き飛ばすhookの突き抜け感が心地よい。俺らならできると自らを鼓舞する姿勢が聴いているこちらにも勇気を与えてくれる。
2.Cestas as Banx- Life's a bitch
beats by Cestas
横浜鶴見をhoodとする"Cestas as Banx"ビートも自身でメイクするマルチプレイヤー。中学三年の頃に友人に無理矢理サイファーをさせられてから早8年マイクを握っているキャリアの持ち主で、正統派BoomBapを体現する数少ないアーティスト。
今回の作品もNas feat.AZのlife's a bitchが当時のNYでの生き方(死に方)を表現していると感じ取った為、令和のこの時代の日本での精神的なghettoや生きづらさ、それに対しての生き方などをテーマにして作られているという所も私世代のヘッズは思わず前のめりに。
3.光狼teruo - BELIEVE IN MY SOUL
beats by TDrive
沖縄のクルー"廃人黒盤"のラッパー"光狼"からハートに深く刺さるメッセージソング、1バース目では言葉に言い表せない程のつらい経験を必死に押し殺して、どうにかうまく消化しようとする葛藤が描かれ、2バース目にはその苦しみを見事昇華ししっかりと前を向いて歩んでいく力強さを感じる事ができた。曲の最後のリリック
「俺だけでも、俺を信じていこう」これこそが彼が導きだした答えだ!心が潰れそうな時思い出したくなる一曲。
4.MAD DOG - CREATE
beat by Dodge Noledge
京都伏見をhoodとする"MAD DOG"が3月31日にリリースしたアルバム『GOOD MAD JAPAN』からの一曲。ビートは気鋭のプロデューサー"Dodge Noledge"がインド特有のメロディラインを駆使した中毒性のあるビートで掩護射撃MAD DOGのスモーキーなFLOWが際立つスモーキーな内容の一曲。つい先日行われたDJ MUNARI & I-DeAのラッパーオーディションプロジェクトでも使用され話題になっている。
5.BROTOM - 34SHIT
prod. LARE
九州佐賀をhoodとし"SHERIA AREA"というクルーのメンバーの"BROTOM" 彼はビートメイカー"34KNOX"としても活動するマルチなプレイヤー。今作は彼の1st ALBUM 「SHORT STORIES」からの一曲。
今回のビートは盟友"LARE"が援護射撃。刻みの良いスネアのリズムが効いたワンループのbeatが猛烈にレイドバック!
6.Xhale - Just a way
Pro ThatKidGoran
南大阪Superb Recordsに在籍し、"SouthHouse"というクルーのメンバー"Xhale"一度聞いたら耳に残るスモーキーなラップが特徴的なラッパー。
「結果より過程賭けは金じゃねえ」
~~リリックから引用。結果に一喜一憂してしまいがちな世の中に一石を投じるようなメッセージ。結果に囚われず努力し続けるひたむきな姿勢が伝わってくる。
7.ZENI- Light in the dark
prod J.Rick
詳細不明謎に包まれたHIPHOPコレクティブ"KyonCeeAPartment"の中心メンバーとしてマイクを握る"ZENI"が盟友であるビートメイカー"J.Rick"と手を組んだ一曲。
耳残りの心地よいスローテンポなFLOWのZENIのラップと、おもちゃ箱をひっくり返したような様々な面白い不規則なリズムのJ.RICKのビートの交わりが心地よい。
8.PAL - I Believe
prod.GEROGE a.k.a. GAMA
北海道釧路を拠点に、全国に発信し続ける"MATCH THE 9REEN RECORDS"
そこでマイクを握るラッパー"PAL"が盟友であるビートメイカー"GEROGE a.k.a. GAMA"とのタッグで生まれた作品。壮大なスケール感と哀愁が滲み出るGEROGE a.k.a. GAMAのビートを、PALが絶妙な乗りこなしでリリカルかつCOOLに決めてくれる。
9.Radical Radio - B.T.R2
prod.首領•チンジャオ
浜松アンダーグラウンドシーンにおいて大注目の「RadicalRadio」クルーの数々の音源にビート提供している首領•チンジャオの作り出すBoomBap全開のビートに個性豊かなメンバーがキックしていく。言葉の端々に「一人じゃねぇ」というクルーの結束の固さが垣間みる事ができた。RadicalRadioから派生した
J.F.C(junk form crew)の動きも大注目だ。
10.Tete - 遠くの街
music Tete
長崎県平戸市をhoodにする"Tete"は"RSH(River Side Hollywood)"に所属するラッパー。今作は1st ALBUM「Purple Way」からの一曲となる。力の抜けたリラックスしたFLOWかと思えば小刻みなリズムで少しピッチを早めたFLOWになったり様々なスタイルを見せてくれ引き出しの多さを感じる事ができる。偶然にも筆者がリリースしたセレクトアルバムと同じ8月31日に2nd ALBUM「茈」をリリースしているのでそちもチェック必須。
SPECIAL THANKS
STRIDER
Cestas as Banx
光狼
MAD DOG
BROTOM
Xhale
ZENI
PAL
Radical Radio
Tete
【PAPA-KIMG(パパキムジー)PROFILE】
2005年頃からHIPHOPフリーペーパー「最前HIPHOP」でライターとしてのキャリアをスタートさせる。山のように届くデモCDを汲まなくチェックし、気になる曲を4~5曲レビューしていくというスタイルで数年間活動を続ける。
その後一定の活動休止期間を経て、 2020年頃からSNSを使用しレビューを書く事に大きな可能性を感じ、X(旧Twitter)とInstagramでHIPHOPライターとしての活動を再開。月間約15本前後レビューを投稿中。 ライター活動を開始した当時から「SoundSourcePool」(音源の貯蔵庫)の館長と名乗り、アンダーグラウンドシーンの音源収集には一切の妥協なく日々没頭している。
個人の動きと並行し2023年から、HIPHOPウェブサイト「SLUM HOODSTAR」のライターとしての活動も開始する。
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