記事を書かせてもらえる様になって、例外を除いてはニューリリースを中心に取り扱う事が多いのでサブスクはもちろん、YouTubeのおすすめを徘徊していると時折強烈に引き込まれる楽曲に出会える。
そんな出会いがパワーをくれて記事を書いたり、音楽活動もモチベが上がっていく。
今回は九州ど真ん中のUNDERGROUND【DILL(23) & GO MAD(22)】で結成された【WONDER UNDER】
熊本発楽園行き列車WONDER UNDER号に気付けば筆者も乗車。
おすすめに現れた『TOUGH TOUGH』のMVに一瞬で喰らってしまった、YouTubeのAIは実に頼もしい。
EPリリース前に先行公開されたこの楽曲に引き込まれた勢いで取材を申し込み、EPのリリースに合わせて楽曲についてなど色々お聞きしました。
EPの楽曲の中で最初にできたという5曲目。
「TOUGH TOUGH」
EP全体のトラックを手がける湯煙beeのビートが冴え渡るイントロから90’s好きを刺してくる。
楽曲のほとんどのHOOKを作っているというDILLのFLOWがムーディにビートを乗りこなす。Verseで刺しにくるGO MADのリリックがチョップされたビートにハマっていく。そして『SILENT KILLA JOINT』という豪華客演を迎えて曲のDope°が増して行く。
DILLからのイベントへのブッキングなどを経て、楽曲制作のコラボが実現したという。SILENT KILLA JOINTへの思い入れの強かったGO MADがそこに合流。
前日にイベントが一緒で、共に湯煙beeがやっている山鹿のBAR「glee」で酒をしこたま飲んで、湯煙beeのレコーディングスタジオに着いたと同時に爆睡(笑)
そこからここまでタイトでCoolな曲を仕上げてくるのはタイトル通りのTOUGH TOUGH。
1曲目「SMOKY EXPRESS」
2人での楽曲が数曲できた頃、ライブでもEPでも一曲目に出来るものを作ろうというところからできたという楽曲。
HighTimeを推奨する車掌GO MADのアナウンスからWONDER UNDER号は発車していく。
たまたまのノリから完成まですぐにたどり着いたという奇跡の楽曲。
90’sなビートアプローチのHOOKが出来た時、完成までの加速度が増したと言う、冒険を連想させるワードチョイスがEPの期待値を爆上げしていく始まりの楽曲。
2曲目「UNDER WONDERLAND」
TOUGH TOUGHの次に完成されたというEPでも屈指のキラーチューン。
以前に参加したオムニバスで使用したフレーズ「UNDER WONDERLAND」を自身の楽曲にしたかったということで先に出来たというHOOKが軽快に響きわたり、4小節ずつで交代するVerseの掛け合いによるパンチラインの応酬、キレキレのビートとAのスクラッチが一曲目よりも上昇する BPMと共に列車の勢いを上げていく。
試行錯誤して完成までは時間がかかったということで曲の破壊力はその分研ぎ澄まされている。
この楽曲はダンサー「ショマー」と共に制作したMVが近日公開予定ということでこちらにも期待したい。
3曲目「CHAMPION VERSE」
Verseのみの曲も作りたいということでBeatもスクラッチもど真ん中なファンキーチューン。
16小節ずつ×2のシンプルな構成がラップ、リリックに入り込みやすく2人のライフスタイルがより解像度高く刻まれている曲。
4曲目「SKIT」
湯煙beeによる軽快さと気怠さが同時に漂うインストビート。
6曲目「シュビドゥバドゥー」
EPを締めくくる楽曲はレゲエ調。HIPHOPだけでなくReggaeもライフスタイルに溶け込んでいる事が伝わってくるホーム感あふれる楽曲。シュビドゥバドゥーという明確な意味を持たない言葉をあえて用いることで、彼らの音楽に対する自由な姿勢が強調されていると共にEPのラストをコミカルに飾り、最後までエンターテイナーのままEPは終わりとなるが彼らの列車は止まらない。
互いに熊本出身の2人。ラップを始めて6〜7年程。初めTRAPでCREWを組んでいたGO MADは度々イベントで一緒になるDILLに惹かれ、DILLがReggae仲間「DAGO LAZY」とやっているBAR「WAILERS」に通うようになる。次第に毎日のように遊ぶようになった2人。
DILLの誘いで共にスタジオへ、DILLの制作曲「LAZY LIFE」にノリで参加して2人の初の共作が生まれる。
思い入れの強いこの楽曲は今でもライブでは最後に歌うという。
その後、数曲の共作を経て正式にCREWとしての活動になっていく。
「WAILERS」主催のパーティ「TOP SHELF」を中心に、客演も増やしながらライブの実績を積んでいく。
1stEP「WONDER UNDER」を解き放ったことで、WONDER UNDER号の自由なレールはどこまでも広がって行くだろう。
取材は終始GO MAD君の独壇場を優しく見守るDILL君の構図が、有り余る元気な弟としっかり者の兄に見えつつも、互いに持っていない物に惹かれあっていてリスペクトしあっている相性のいいCREWで楽しく雑談出来ました。
熊本のシーンはまだまだ気になるので、また掘り下げていきたいと思います。
DILL
GO MAD
Comments