HOODLINK,呼煙魔さんとの前半記事を終えて、GOTITさんとの後半突入です。
改めてお二方のご協力は、ポンコツの新米ライターの筆者に可能性を直に伝えてくれて、このコーナーの今後の指針となりました。
呼煙魔さん、GOTITさん本当にありがとうございました。
後編はMC編、元々計画されていたEPだったということもあり、客演のMCの構成はあらかじめ大体決まっていて、メンバー像から楽曲のテーマ性が広がっていったというEP「FULLCOMBO」。
客演者との関係性やエピソード等を聞かせていただけました。
ラップが入ってくる2曲目Beautifulから順に参ります。
2.Beautiful feat. BLACK KID
EPの歌い出しを共に飾った【BLACK KID】
お互い茨城であるものの、GOTITさんがいた水戸とBLACK KIDさんの元々住んでいた所は距離が離れていたそうで、その当時かなり飛ばしているクルーに所属していたBLACK KIDさんとはイベントで顔を合わせた時が仲を深める時間だったという。
GOTITさんとはスタイルの違う活動をされていたものの、BLACK KIDさんのラップ力や歌モノもSMOOTHに決める器用さをリスペクトしていたそう。
そこから少し時は経ち、BLACK KIDさんがGOTITさんのいる水戸の隣町に移り住んでくる。
BLACK KIDさんに守るべき家族が出来て、既に家族を持っていたGOTITさんと近い境遇になったため、環境が変わってきた中でのBLACK KIDさんの今の想いを自分の歌で聴いてみたかったのでオファーしたというGOTITさん。
守るべきものがある中で、忘れたくない攻めの姿勢。
元々はスタイルの違っていた2人が同じ想いを共有し、EPの歌い出しをタイトに決める。
HOOKはBLACK KIDさんなら歌モノでもかましてくれるだろうという期待を込めた作りがEP序盤を華やかに飾っている。
このEPの楽曲ほとんどがGOTITさんが先にRECしたものに、客演者がRECしていく流れだったため、GOTITさんのバイブスに客演者が呼応するような展開が毎曲楽しめる作りになっているのもEPの大きな魅力です。
3.W STEEL feat.KOWBEAT
茨城の古河の仲間で構成されるOLD RIVER STATEに所属している【KOWBEAT】をfeat.。
こちらも活動エリアが離れていたため、イベント現場で仲を深めていったそう。
お互いバトルMCイベントで切磋琢磨したり、境遇の似ている部分があったりでいつか一緒に曲を作ろうと話していたものの中々実現の機会に辿り着けなかったという。
それもありGOTITさんがUMB2023を優勝し、茨城のアーティストとEPを作るとなった時、自然と最初に浮かんだ相手がKOWBEATさんだったという。
離れた場所から呼煙魔さんのCATBACK STUDIOに来てもらい、一緒に飯を食し、その場でリリックを書き上げ、限られた時間の中で完成されたW STEEL。
エリアは違えど止まらず走り続けている2人だからこそ実現できた曲であり、この曲のテーマ性にも繋がり、KOWBEATさんの提案でタイトルがW STEELとなる。
HOOKのRUNが示すように、走り続けてきた過去とまだまだ止まれない2人の意志がど真ん中なBoomBapに炸裂する。
4.道中SHIT pt.2 feat.Cas Escobar,MARU,MAJUNIA
呼煙魔さんのラップ時の姿である【MAJUNIA】の参加もあるように、EPの中では一番距離感の近いいつもの仲間【Cas Escobar】【MARU】と楽しく仕上げたという楽曲。
PT.1では各地でのライブに向かう車内のノリをそのまま楽曲にしたという道中SHITのPt.2はUMB2023への向かう最中と帰り道がそのまま楽曲になっている。
Cas EscobarさんとMARUさんの行きの道中のノリや会話から、帰り道の高揚と道中の車のトラブルまでもあるがままに歌うGOTITさんとMAJUNIAさん。
優勝した次の日も仕事があり早く帰りたいメンバーもいるのに、トラブル勃発で中々帰れず、パーキングの飯屋もほとんど閉まり、不貞腐れながら食べた蕎麦、苦労の末帰路につく。
UMB2023の優勝劇も王道漫画的な展開ですが、その道中までもコミカルに歌い上げる。
「こればっかりはあった事をそのまま全部曲にしてるので中身ないです(笑)」と語るGOTITさんですが、聴き手はこういったHOODなノリや地名が入った曲はすごい嬉しいですよね。
5. New Day feat. VWL,G YARD
茨城出身のアーティストをHOOK UPしていくコンセプトがあった「FULLCOMBO」の中でもその意味合いが特に強い曲で後輩【VWL】【G YARD】をfeat.している。
シーンを一気に駆け上がって行こうとした客演の2人がぶつかる壁と奮闘する中での心境を歌として聴きたかった事とその夢を絶対に諦めてほしくないGOTITさんの熱い思いが、3人のNew Dayを示していく。
アーティストの生き方は人様々、日々の仕事ともに音楽がある人もいれば、音楽一本の道を選ぶ人もいる。
その道中はどちらも険しく、何が正解なんてものはないが自分と向き合い目標を達成したGOTITさんだからこそ伝えられる言葉は確かにそこにあり、目標達成も通過点とし、険しい道のりの中、手を取り合っていく。
6.Return Back feat.DOWNTOWN SWINGAZ
呼煙魔さんがビートメイカーを務める【DOWNTOWN SWINGAZ】がこのEPに参加するのは当然の様に思えるが、活動を重ねれば周りの環境も変わっていくのも当然に起こりうることで、GOTITさんのバースに、決してBAD MINDではないが守るべき生活の中で現場から少し離れていた雄火さんのバースが呼応し、その間も駆け抜け続けてきたI-SET-Iさんの熱いバースがDOWNTOWN SWINGAZの新しい一面を見せてくれる。
リリカルなバースが得意と思われたDOWNTOWN SWINGAZのここまでど直球な一面を引き出せたのはGOTITさんのど直球な思いとリンクしたからではないかと思わせんばかりにHOOKは、最初GOTITさんのHOOK としてRECしたものに、後にDOWNTOWN SWINGAZも引用してくれたそうで、タイトル通り仲間へ贈る「戻って来い」は聴き手にも初心と未来を繋ぐ架け橋となる。
筆者もこの曲を聴いただけでも脱皮した気分でした。
7. How Do We Reach
EP唯一のソロ曲。マンガで見たワードをタイトル、テーマにして歌いたかったとして生まれた楽曲だという。
どうやって到達するか、どうやって届けるか。
日本語で綴られるHIPHOPは世界に向けた時、どこまで広がっていくのか。
答えのない壮大なテーマを見つめながらもスピリットは自身にフォーカスしているGOTITさんは今年もUMB決勝大会への出場が決まっており、またそこに向けたEPの制作が既に始まっているそうで、GOTITさんと呼煙魔さんの快進撃はどこまでも広がり続けるだろう。
次回EPの際にもぜひお話をお伺いしたいとお伝え、これにて壮大なプロジェクトの背景に迫った雑談は終了となります。
貴重な体験をさせていただきお二人共本当にありがとうございました。
今回の経験を今後の指針とし筆者も精進します。
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